株式会社ノア リーディング


■ ラングミュアプローブとの比較


ラングミュアプローブ法は、プラズマ内に金属製の針(探針)を挿入し、これに直流電圧をかけたときに流れる電流の
大きさからプラズマ密度や電子温度を測る古典的な方法です。
この方法の欠点は、探針の表面に絶縁性の膜がついてくると、電圧をかけても電流が流れなくなるので、全くプラズマ
の測定ができなくなることです。
プラズマプロセスでは、反応性ガスの放電で生成されるプラズマを利用して材料処理をおこないます。
アルゴン等と違って、反応性ガスで放電すると、ほとんどの場合、探針の表面に絶縁膜が付着したり、酸化や窒化によ
って金属の導電性が失われるので、ラングミュアプローブ法は使えなくなります。
このようにプローブ表面が汚れてしまってもプラズマ密度が測れる方法として考案されたのがカーリングプローブ法で
す。
ラングミュアプローブ法では金属探針に直流電圧を加えるのに対して、カーリングプローブ法では金属製アンテナにマ
イクロ波を送ってその反射が最小になる周波数(共振周波数)を測定します。
マイクロ波は、薄い絶縁体であれば簡単に透過します。
さらに、アンテナを石英ガラスでカバーしていますので、プラズマによって絶縁性の薄膜がその上に付着しても、初め
から絶縁体(ガラス)で覆われていますので影響はほとんどありません。
このようなことから、カーリングプローブはほとんどのプロセス用プラズマで使うことが出来ます。
プラズマCVDの場合は、短時間に厚い膜がプローブ表面に付着しますが、その影響を除いてプラズマ密度を求めるこ
とが可能です。
すなわち、放電前のクリ−ンな場合のマイクロ波共振周波数f0をまず測定しておきます。
次に、放電を開始した直後の共振周波数f1を測定しておきます。
続けて放電してプロセスをおこなっていくと、時間と共に共振周波数が低下します。
プロセス終了直前の周波数f3をモニターしておき、終了直後の放電停止後の共振周波数f4を測定します。
これら4つの周波数から、プロセス中のプラズマの密度を正確に求めることができます。
なお、プローブ表面に非常に厚く膜が堆積したときは、アンテナ前面の石英ガラスを交換することも可能です。

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